男系限定論者たちが唱える唯一の方策は、「旧宮家」系国民男子の皇籍取得。
では、その男子たちの実態は?
拙著『歴史で読み解く女性天皇』では
「未婚の成年男子は、わずかに3人らしい。
未成年の男子は、6人ほど」と書いた。
だが、近刊の所功氏『皇室典範と女性宮家』によると、以下のようであるらしい。
まず、未婚の成年男子は久邇邦晴氏(50歳)、
東久邇睦彦氏(31歳)、
竹田恒貴氏(37歳)、
竹田恒昭氏(32歳)、
竹田恒泰氏(36歳)の5人。
未成年の男子は、賀陽正憲氏の長男(16歳)、
次男(14歳)、
東久邇征彦氏の長男(2歳)、
東久邇照彦氏の長男(8歳)の4人
(年齢は今年5月現在、拙著では旧宮家から養子に出た系統もカウントしたので未成年6人)。
順番に見ていこう。
まず、成年男子について。
久邇邦晴氏は、以前の保阪正康氏のレポートでは大手重機メーカー勤務とのことだった。
独身ながら、50歳という年齢での皇籍取得は、普通には考えにくいだろう。
竹田恒昭氏は『週刊新潮』によれば、プロのゲーマー。
織田信長の生まれ変わりを自任している個性的な人物らしい。
皇籍取得には疑問符がつく。
竹田恒泰氏も、政治的言動を 繰り返して来た経歴などから、
皇籍取得は相応しくない。
本人も、皇籍取得の意思はないと、繰り返し明言している。
となると残るは、2人だけ。
自動車販売会社勤務という東久邇睦彦氏と、大手商事会社勤務という竹田恒貴氏(勤務先は保阪氏のレポートによる)だ。
もちろん、この2人が皇籍取得の意思を持っているかどうかは、不明
(保阪氏は皇籍取得を「希望している人はほとんどゼロ」と証言していた。
万一、皇籍取得の候補といった話になると、経歴その他の精査が欠かせないことは言うまでもない)。
次に、未成年の男子の親はどう考えているのか?
賀陽正憲氏は『週刊新潮』の取材に「立場が違いすぎ、恐れ多いこと」と答えている。
東久邇征彦氏も「お断りさせていただく」、東久邇照彦氏は「何もお話しすることはできません」との回答だ。
当然と言えば当然ながら、前向きな答えは皆無。
「男系」論者たちは、こうした現実を見据えた上で、女性宮家の創設に反対しているのだろうか?
男系限定で皇位を継承していくには、4〜5の宮家を「常に確保し続ける」以外にない(竹田恒泰氏)のであれば、
一体、どうやって皇室の末長い存続を確保するつもりなのか?
リアルな回答を示して欲しい。
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